2023年1月30日
手摺について考えてみよう! 2019.10
先月にひきつづき家庭内事故防止ネタです。
ここのところ、お客様のお宅に
手摺を取付する機会が複数あり
考えさせられることがありました。
(私の親も含めてなのですが...)
だいたいの手摺は750~800cm位の高さで
取付してあることが多いのですが
実際に手摺を必要としている対象者の身体の使い方によって
適した位置は全く違う…。
歩くのにバランスをとるだけであれば
80cmは一般的で良いのですが
問題は立ち上がる動作や段差を上がる時です。
横手摺にはぐっと体重を載せて立ち上がるので
歩行より5cm~10cm低くないと
体重を載せられません。
対象者がタテの手摺をつかんで
身体を引き上げることができるとは限らないのです。
私たちは気付かずに筋力で立ち上がっていて
筋力のない人は体重を
うまく移動して立ち上がっていると
イメージしないといけません。
手摺はそこそこ良い位置にあれば
充分役に立つものなので
新築の際にはとりあえず下地を入れておくとか
要所には取付したりするのですが
既に使う対象者がいらっしゃる場合には
その状態をよくよく理解して検討しないと
有効な手摺を取付できないということを
ひしひしと実感いたしました。
もし、家族の中で手摺がないと動作ができない人がいたら
“手摺は対象者専用と考え取付をする”
福祉住環境の基本ですが
不自由のない人には想像できるはずもないので
ていねいに取り扱うべきものだと思います。